音楽

歌のないロック

2012-08-28 - 猫を償うに猫をもってせよ ↑の話の流れで、小谷野敦さんに<歌詞のないロックってありますか>と問われた。 インストルメンタルのロック、ということならばふた筋の考え方があって、一つ目はプログレッシヴ・ロックやジャズ・ロック、あるいは…

『トラヴェシア』

ミルトン・ナシメントの『トラヴェシア』を知ったのは、同世代のたいがいの人がそうであるようにムーンライダースのアルバム『NOUVELLES VAGUES』でだった。 ここに動画があります(http://www.youtube.com/watch?v=ArS9evZnaYs&feature=related)。橿渕哲郎…

『クリスマス』

父さんが着込んだ溶けない氷の花びらの服母さんが作った溶けないバターのミツバチのケーキ あんなにひどい事を言うのは三角帽子被っているからあんなにひどくお酒を飲むのは三角帽子踏みつけたからだタカラダ、ガガガガ、ガガガガ、マウ! マウ! みどりの手…

村崎百郎を悼む歌『蝶ヶ山』

蝶の山 どこに あるのかな? 消えて 涙まみれ 蛇男 うまい仮面だね 街で 仕事ばかり 薄い 羽の色を 抜いてくれ 誰にも 見えない 蝶の山になれ あげるよ あげるよ あげるよ 君にだけ 見たいよ 見えない 見えない 羽のある君を 蝶の山 花の盛りだよ 呼べよ 歌…

デビィーズとベイカー・ショップ・ブギ

グループ・サウンズ(GS)の中でもデビィーズは、どちらかと言えばあまり知られていないバンドだろう。 正式名称はデビィーズなんだけれどThe Davy'sという綴りのせいか、他にデビーズ、デヴィーズなどの表記もある。Davyさんという方の存在がバンド結成の…

「歩くパリ祭」の消滅:今野雄二

取り急ぎ追悼の意を込めフェラ・クティ『パワー・ショウ』を貼る。 この曲は藤田正・今野雄二の論争となった『オリジナル・サファーヘッド』のB面。今野に言わせると、ソウルやファンクの粗雑なコピーでしかないものをアフリカのコンテンポラリー・ミュージ…

湘南スリラー劇場『青い銅踊り Copper Dance in Blue』

「鬼畜」であるということはどういうことだろうか?それは、傷つきやすい内面を覆い隠して、本音から飛躍させた偽悪的極論を捲くし立てること。シニシズムの一種。 シーサイド ココシュカ*1 Seaside Kokoschka俺の踊りは 俺の踊りは 見えない お前に 寒くて…

ロカビリー・ブーム

2010-06-12 - もうれつ先生のもうれつ道場「日本のロカビリー」のつづき。以下の珍説の検証。【専門は】盗作屋・唐沢俊一136【盗作家業】 646 :無名草子さん:2010/06/09(水) 09:29:23 アメリカにおけるロカビリーのブームは1954〜1956年という驚くほどの短…

湘南スリラー劇場『水少年』

「湘南スリラー劇場」という名も無いバンドの曲。湘南スリラー劇場についてはUEKING ROOM » 連載「ギターを抱いたUeking」 #2この程度のインフォメーションしかない。 しかしなんだろう、ウエキングって。オタキングならしってるけど。 この歌の歌詞は中井英…

日本のロカビリー

「日本でのロカビリー・ブームは1956年から翌57年まで」 という珍説があるらしい。【専門は】盗作屋・唐沢俊一136【盗作家業】 646 :無名草子さん:2010/06/09(水) 09:29:23 アメリカにおけるロカビリーのブームは1954〜1956年という驚くほどの短期間。 日…

eEYO「RITA」記憶スケッチ・カバー

eEYO idiotの「RITA」を一回ライヴで聴いた記憶だけを頼りにカバー。歌詞はよその言葉だったのでイイ加減な歌詞を捏造。melted tragediesアーティスト: eEYO idiot出版社/メーカー: インディーズ・メーカー発売日: 2010/03/03メディア: CD クリック: 3回この…

荒木一郎とマグマックス・ファイブ

(追記あり) 一万一千の無知。 - 唐沢俊一検証blog。アポリネールの『一万一千本の鞭』は中学のとき読んでショックを受けた。まだ富士ロマン文庫系のエロ文庫が出回る前の頃で、エロに目覚めたけれどマニアックな世界にはまだ躊躇がある中坊は、大手から出…

加藤和彦さんのことで、思いのほか凹んでいます

ので、岡田斗司夫や唐沢俊一がどうとか考える気に、すぐにはなれません。 以上、報告まで

「ホワンポウエルの街」

過日、一瞬だけ貼っていたものを再掲「ホワンポウエルの街」 作詞・及川恒平/作曲・四角佳子 六文銭 BOXアーティスト: 六文銭出版社/メーカー: ベルウッドレコード発売日: 2004/02/10メディア: CD購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (2件) を見る…

『水少年』

水少年/たるん再アップしてみました。ステレオになったけれど低音が薄くなった按配。 平成スキマ男/たるん

ビートルズ来日公演前座(追記あり)

1.ブルージーンズパンフレットでのブルージーンズのラインナップは 鈴木八郎(エレクトーン) 岡本和夫 工藤文雄 石橋志郎 安達 勝下手側中段舞台のグループがブルージーンズ。おそらく左手から鈴木八郎(エレクトーン)桜井五郎(ギター、歌手としての出…

メモ:テンプターズ結成まで

1965年大宮西高校の生徒(田中俊夫、高久昇ほか)で結成された。1960年の伊映画「太陽の誘惑」よりバンド名をテンプターズとする。ヴォーカルは女子(複数いたのかも)、オルガンもいた模様。ダンパ(ダンスパーティ)主体で、練習は大宮駅東口側の…

萩原健一『ショーケン』

ショーケンはファンがスゴイからなぁ・・・(たいへん素晴らしいことではあります) (http://ameblo.jp/showken-fun/)とか。 「ショーケン、好きかぁ?」と訊ねられれば、30mくらい離れてちょいとコブシを上げ「お、おー・・・!」と同調したいところで…

「人間なんてラララ、と歌う」

「ボクはちょっと泣いてんだと思う」(「キリギリス」/COIL) 同曲は井上陽水「傘がない」への言及もあるトリッキーな歌詞ALL ERASE OK?アーティスト: COIL,オカモト・OK・サダヨシ,オカモトサダヨシ,サトウヨースケ,LOU REED,根岸孝旨出版社/メーカー:…

口パクか否か

『深町秋生のベテラン日記』奏でられない演奏 (http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20090823) Late Late Showのダイアン・バーチが、最近のバンドには珍しく口パク・カラオケではないという話です。 このバンドの演奏力がしっかりしているのは認めるけれど、…

<唐沢俊一検証blog>『ハナの首飾り。』その後(2)

http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/ ここの2009-06-03のエントリ『ハナの首飾り。』をベースにした拾遺録(2)。 (http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/20090603/1244026835)只今のBGM:『ハナ肇とクレイジー・キャッツ全曲集 Compiled By Eiichi Ohtaki…

ロック・ミュージカル『ヘアー』の逮捕者

また加橋かつみが参加したロック・ミュージカル『ヘアー』で大麻騒動があったちょうど同じ時期に、カップスのデイヴ平尾・ミッキー吉野も大麻で引っぱられています(ミッキーはこのためにバンド脱退となる)。面白いと思うのは、『ヘアー』の逮捕者が4人と…

<唐沢俊一検証blog>『ハナの首飾り。』その後あれこれ

http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/ ここの2009-06-03のエントリ『ハナの首飾り。』をベースにした拾遺録。 (http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/20090603/1244026835)基本的には自分のためのメモなので、批判文と間違えないように。 × × 今は、ブルー・コ…

アルマ・コーガンさんのハスキーな歌声

先日亡くなった宮川泰さんの手による、お洒落なボサノバ・アレンジが印象的な中尾ミエさん他の「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」だが、イギリスのプレ・ビートルズ時代の歌手・アルマ・コーガンの同曲は上からなぞったような、まったく同じアレンジで、C…

個人的オーネット・コールマンBEST5

1位「ボディ・メタ」:ロック形式のバンド「プライム・タイム」と。前に記した1曲目「Voice Poetry」だけでなく、ワルツの「European Echo」など、黒人音楽のスタイルをモチーフにした時の非黒人音楽性、西洋音楽的モチーフに於ける濃厚な黒人音楽性に唯一…

合掌、アイ高野

<カーナビーツ>ほか、<ゴールデン・カップス><クリエイション>のドラマー、ボーカルだったアイ高野が亡くなった。「ジェニー!!!」 カーナビーツの一曲 <カーナビーツ>といえば「好きさ、好きさ、好きさ」「恋をしようよジェニー」が定番です。ボ…

3月はオーネットの月

3月末にオーネット・コールマン(アルト・サックスほか)が来日していた。年齢的に、たぶんこれが最後の来日となるだろう(1930年生の76歳)。 オーネットの足跡は偉大にして、孤立無援。その影響は多大で、たとえば前に名前を挙げた灰野敬二、彼の最…

読書のBGMベスト

は流さない。のですが、たまに耳がさみしいと感ずるときもあるので、そういうときはしばし悩む。 ふつう聴く音楽は軽音楽―なんて死語か―・・・ロックとかポップスなのですが、こういった大衆音楽?は騒々しいゆえ、読書に集中する妨げになることおびただしい…

前日の続き

尾形亀之助は、当時のいわゆる「高等遊民」のなかでも突出した存在で、だからこそ『脱力の人』にもでてくる辻まこと(辻潤の息子・画家・文筆家)や草野心平など無産思想・虚無思想の周辺からのリスペクトもあった。