歌のないロック

2012-08-28 - 猫を償うに猫をもってせよ
↑の話の流れで、小谷野敦さんに<歌詞のないロックってありますか>と問われた。
インストルメンタルのロック、ということならばふた筋の考え方があって、一つ目はプログレッシヴ・ロックやジャズ・ロック、あるいはジャズそのものの範疇に入ってしまうシリアスな路線が考えられる。

イタリアのプログレピッキオ・ダル・ポッツォ

あるいは、
フランク・ザッパの「ブラック・ペイジ」など

こういう路線はシリアスな音楽なので、話のもととなったクラッシックとの対比にはならなくなってしまう。


二つ目はサーフ・ミュージックなどガレージ系のインストルメンタル

ベンチャーズの「十番街の殺人」

日本のロックンロール受容の最初にして演奏面でのベーシックなもの。ただ楽曲としては典型的なブルースの影響は多くない。

パルプ・フィクション』でリバイバルした「ミザルー」

元祖であるだけに、いわゆるロック(ロックンロール)成立の流れの中でアラブ音楽の要素の濃い異色の存在なのだけれど。

スプートニクスの「霧のカレリア」

ジャンル分けとしてはロック。でも音楽性は「昭和」な歌謡曲


小谷野さんは、ロックが嫌いな理由にエレキ・ギターの存在を挙げていたけれど、アニソン・特ソンとかってかつてはエレキ・サウンドをかなり吸収してたよね。


「ニュー・ロック」以後的な演奏のギター。もともと、作曲の北原じゅんは大阪のロカビリーバンド「田川元祥とリズムワゴンボーイズ」の専属歌手だった。その後GS「ジェノバ」の全楽曲を手がける。


いつだったか小谷野さんがお気に入りと仰っていた『快傑ライオン丸』。こんな楽曲にも、うっすらとしたファズ・ギターがずっと鳴り続けている。

…で、<『クロコダイル・ロック』は好き>との爆弾発言。あのお…小谷野先生、ロック好きなんじゃないですかあ?ただただ昔ロックを語って鼻高々だった奴への憎悪を忘れてないだけで…?