2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「如何なる星の下に」

この、高見順の小説を豊田四郎が映画化した1962年発表の作品を、夕食のお相伴に観返してみる。 このあいだTVで放送した市川崑監督の‘61年作「黒い十人の女」と、2人キャストがかぶっていて、それが、五社協定事件で翌‘63年引退を余儀なくされる山…

昨日のTBSラジオ「アクセス」

宮崎哲弥氏の担当日で、テーマは「かの人」*1の死刑に是々非々云々。 それはまぁどうでもいいのですが(よくないか・・・)、先日「ドキュメンタリーは嘘をつく」で話題にした森達也氏がゲスト出演していた。大勢は「死刑」肯定に傾いているなか、一般聴取者…

金玉時計

「福神」7号(2001)8頁、小沢信男の発言 金玉の上下で時間がわかる男が鳥取のなんとか村にいる。上がりきって腹中に収まるときが、ぴったり午後。だらりと下がりきったときが、夜中の十二時 直接の出典は梅原北明『近世社会大驚全史』、そのまたモトネ…

読書のBGMベスト

は流さない。のですが、たまに耳がさみしいと感ずるときもあるので、そういうときはしばし悩む。 ふつう聴く音楽は軽音楽―なんて死語か―・・・ロックとかポップスなのですが、こういった大衆音楽?は騒々しいゆえ、読書に集中する妨げになることおびただしい…

『尾崎翠集成(上)』−贋作「杉粉嬢」

さて、宵闇がようやく訪れ、南風の湿った空気辺りを包む頃、黄色っぽいぼやけた灯りに誘導された小さな虫のように、私たちの主人公は幾日ぶりかの外出を始めた。天上にはまさに暮れかからんとする蒼紺の薄明かりのなか、銀色が風に瞬く星がふたつ、置き忘れ…

『だまされることの責任』佐高信&魚住昭 120〜124頁要約

あるいは<「自己責任論」の萌芽> 魚住 僕はジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』(岩波書店)を読んでいて一番印象に残ったのは、孤児の話なんです。戦後、戦災孤児が街にいっぱいあふれていた。ところが日本人は彼らをろくに救おうとはしない。ほったら…

枯れ木も花のにぎわい

とってつけたように、友人の絵を飾り、地味な部屋に華を添える。 drawn by Arammon

花輪和一先生の描く、平安朝ものに登場する女性

ではない。長谷寺近くの御霊神社にある、面掛行列というお祭に使う面のひとつ。コロポックル[完全版] (KCデラックス)作者: 花輪和一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/07/23メディア: コミック購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (19件) を見る…

斎藤綾子「欠陥住宅物語」をひっぱり出してみた。

本日、いわゆる「ヒューザー物件」GS××××の前を通り過ぎたとき、この本のことを思い出す。 前に3分の2まで読んで、放っておいたままいつの間にか2年が過ぎた。やあ、斎藤さん、久しぶりです。美奈子さんのほうはよく見かけるのですが、ご無沙汰しちゃい…

ふっと気づいたのだが・・・

①「アーチャリー」って、仏教用語の位階にある「阿闍利」のことなんだろうけど、今まで気がつかなかった・・・。 ②個人情報が流出した際、報道に於いては、必ず情報量をフロッピーディスクに換算表示するのはなぜだろう?べつに答えを知りたいわけではないが…

「ドキュメンタリーは嘘をつく」(タイトルに若干偽りあり?)

「ドキュメンタリー作家たちは嘘をつく」といった塩梅。 朝っぱらか見るのはキツイような気がしたので、録画して午後鑑賞。 「あざとい」とか「分かり易過ぎる」みたいな意見があるみたいです。しかし困ったことには、たとえば今、NHK総合の「にんげんドキ…

「ヨコハマメリー」

本牧育ちの友人とお茶をいっしょにする。会話の流れで「メリー」という名前がでたので、「ヨコハマメリー」と駄洒落をつけくわえると、彼はいささか顔をしかめ、屈託のある表情で煙草を一口。<でもよー、当時は「メリーさん」なんてよばれてなかったぜ、地…

前日の続き

尾形亀之助は、当時のいわゆる「高等遊民」のなかでも突出した存在で、だからこそ『脱力の人』にもでてくる辻まこと(辻潤の息子・画家・文筆家)や草野心平など無産思想・虚無思想の周辺からのリスペクトもあった。

正津勉「脱力の人」

さまざまな、正津氏いうところの脱力系詩人について。脱力とは、つまりはダウナーというほどの意味で、最後に漫画家つげ義春を取り上げているが、一般的にはつげ義春以外みな無名だろう?というくらい、詩の世界はマイナー・ワールドだ。その中で唯一知って…

インドネシアからのメール

突然むかしの友人からメールが届く。どうやら共通の友人がアドレスを教えたようだ。 5〜6年ぶりくらいなのか?今日は朝、天気が良いのに桜の花びらのような粉雪が降り、ちょっと南国生活がうらやましい。 でもまあ、向こうだって地震やテロでたいへんだし…

若き日の八切止夫

伊藤整『古い日のこと』のなかに、若き日の八切止夫―サンカ研究家にして歴史妄想家―が登場する。 昭和10年(1935)前後、日大藝術科の夜間部で創作実習を教えていたころの話。 いつも教壇のまん前の席に陣取って、毎時間30枚ほどの自作の小説を読み上げ…