『だまされることの責任』佐高信&魚住昭 120〜124頁要約
あるいは<「自己責任論」の萌芽>
- 魚住
- 僕はジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』(岩波書店)を読んでいて一番印象に残ったのは、孤児の話なんです。戦後、戦災孤児が街にいっぱいあふれていた。ところが日本人は彼らをろくに救おうとはしない。ほったらかしにしている。それを見た外国人から「なんでああいう子どもたちをほうっておくんだ」と聞かれて、作家の大佛次郎は「日本人は他人への愛情に欠ける国民だ。愛情の湧く場所の底が低いのだろうか」と思ったそうですね。
(中略)『敗北を抱きしめて』には戦争未亡人と戦災孤児の話が出てくるんですが、一度脱落した人間に対するものすごく冷たい視線、切り捨ててしまう視線というのが、日本の社会構造の中にある。
- 作者: 佐高信,魚住昭
- 出版社/メーカー: 高文研
- 発売日: 2004/08/01
- メディア: 単行本
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