M・シャーマー「奇妙な現象をもっともらしくみせている25の嘘」
シャーマーの指摘する「科学を思考する上で陥りがちな問題点」
なぜ人はニセ科学を信じるのか―UFO、カルト、心霊、超能力のウソ
- 作者: マイクルシャーマー,Michael Shermer,岡田靖史
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1999/02
- メディア: 単行本
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ツイッターでの会話で一部出したのだけれど、全体は未だ説明してなかったのでここで紹介しておきましょう。ネットのトピックな問題と繋がらないものや、飲み込みの不十分な項目はスルーしています。
- 科学的な考え方の問題点(そもそも、科学的にものを考える上で陥りやすいところ)
1.理論が観察者に影響をおよぼす(コロンブスの理論ではそこはアジアだったので、「新大陸」はアジアと認められた)
2.観察者が観察の内容を変えてしまう(これは今話題となっているSTAP細胞騒動が分かりやすい例)
3.道具が結論をつくりだす(実験にもちいられる道具によって、結果が左右される)
4.逸話から科学はうまれない(科学に限らず、逸話によって根拠の提示に代用できない、ってことでもある。「逸話の有無の証明」でもない限り)
5.科学的な表現から科学は生まれない(専門家が専門用語を駆使してグダグダな理屈を述べる、という意味でもあるか…)
6.大胆な仮説が真実をうみだすわけではない
7.立法責任(既知の知見については自説を擁護する必要はない。立法責任=証明をするのは新説をうちだす側だ、ということ)
8.反対意見と正当性は同じではない
9.噂はしょせん噂でしかない
10.説明されないことは説明できないことではない
11.失敗の正当化
12.事後の推論(相関関係と因果関係を曖昧にする所作)
13.偶然の一致
14.典型を見極める
- 思考における論理上の問題点
15.感情的な言葉と、誤ったアナロジー(これはよくツイッターで見かけますね)
16.無知にはどう対応するか
17.「そういうあなたこそ」といった反論は何も生まない
18.速断(事実が証明される前に結果が導きだされる弊害)
19.権威への過信
20.ふたつにひとつ(否定による誤信。第三者がその反対意見を認めさせようとするために、結果的にふたつの意見に集約させる傾向。第三者の提示する「落としどころ」が妥協点でも何でもなかったりすること)
21.循環論法(冗長性という誤信、論点の回避、同義反復)
22.背理法と転落の坂道
- 思考における心理学的な問題
23.努力の不足と、確実性、分かりやすさの必要性
24.説明不足
25.思考的な免疫、あるいはプランクの問題(物理学者マックス・プランク「重大な科学の革新が、少しずつその反対者を説得し転向させ、主流となることなどということは滅多にない。」「ほとんどの場合、反対者側が少しずつ死んで数を減らし、生まれたときから新しい考えに慣れ親しんだ世代が育ってはじめて交代が起きるのである」)