ホープ・フォー・アンハッピネス
「反原発運動をしている人たちの中には福島が不幸なほど良いと考えている人たちもいる」と主張する菊池さんについての検証
「物理学者、ゆるふわ左翼、テルミン弾き」の菊池誠さんがまた炎上したようだ。
カンナさんのツイート1とそれに続く菊池さん宛てのツイート2
沖縄の大学にヘリが落ちた時「一人でも死んでくれたほうがよかった」と平和運動に関わってる人が言った。
原発反対運動をしてる人が事故前「日本でもチェルノブイリみたいな事故が起きれば、原発はなくなるのに」と言ったことと重なる。
@kikumaco 福島と沖縄、違うところもあるけど、不幸を願う活動家がいるのは同じだな、って思ってこの動画を見てました。
これに菊池さんがレスしたものが炎上した。当該ツイートは既に削除されたが、前回のエントリーと関連が深い発言なのでSSとして残っている画像から再現する。
これに対し、ウオズミさん
「「一人でも死んでくれたほうがよかった」と平和運動に関わってる人が言った」
↑
というYoutubeの画像が流れてきたので、見てみたら手登根安則(日本のこころの人?)という人が、そう言っているだけだった。
こんなばっかり...。
ボギー手登根(てどこん)ですね。思想信条は個人の自由なのでどうこう言いませんが、確信犯的にデマを拡散するという意味で要注意人物ですよ。
これですね
ニセ科学批判をしながら、代表的なデマゴーグ(のデマ)を拡散するのは完全にアウト、デマに引っ掛かっちゃってますね
手登根氏を知らなくともエルドリッジ氏位は知っててそこで「デマじゃないか?」とピンと来て欲しいと思うのですが、ご存知ないのでしょうかね
といった批判が噴出、菊池さんは先の発言を削除し、
そして、あらためて正義の暴走についてのツイートをしています。
で、削除して、別口として「正義の暴走」についてのツイートをすれば問題が解消するのか?というのが今回の話。
ところで、前回の講演聞き書きでは、菊池さんは「原発に対する賛否と現在の放射能問題は、政治レベルでは関係があっても現象面では関係がない。ところが、気持ちの上で分けられないところがあり、希望として被害が大きくあってほしいと考えてしまう人たちもどうしてもいるという点が問題をむつかしくしている」「ヘイトスピーチには極めて敏感な人たちが、すごくカジュアルに福島差別をする例をネットやデモなどでよく見る。おそらく差別、だという意識がないのだろうと思う」と述べています。
さらに2015年4月8日のツイートでも
「反原発運動をしている人たちの中には福島が不幸なほど良いと考えている人たちもいる」というのは僕の観測事実。もちろんそうでない良識派の人たちもたくさんいるのは知ってる。でも、良識派でいたいなら、そういう「差別派」を批判して変えていかないと「仲間」と思われるよ。そういう話だと思う
とツイートしてます。
「反原発運動をしている人たちの中には福島が不幸なほど良いと考えている人たちもいる」というのが菊池さんの観測事実、そういった人たちもいるとする認識の根拠になるのが菊池さん自身の知見であるならば、今回炎上した件も、撤回削除する直前までは菊池さんの観測事実の一つ、菊池さんの知見の一つであったわけです。だから、今回のような(手登根安則さんのスピーチがデマか否かはさておき、手登根さんのスピーチをカンナさんが引用しそれを根拠に「正義の暴走」についての警句を述べるような)不用意な観測、拙劣な見地の発露は、菊池さんの観測における客観性や見地の正統性に疑いを持たせる方向性を持つ。つまりそれは、「想像上の他人」を根拠にした自己正当化ではないのか?――菊池さんの念頭にある「被害者が不幸なほど良いと考えている反対運動の人たち」という像には、かなり偏った菊池さんの創造性が発揮されていて、実像的なものとずいぶん異なるのではないか?――という疑念を、多くの反原発運動に参加する人たちに抱かせる結果になっている。これは、ニセ科学批判としても、科学コミュニケーション一般としても啓発に失敗していることになり、菊池さんのニセ科学批判の志を評価するならかえって看過できない問題点じゃないかと思う。不用意さに気をつけていく程度の軽さではなく、戦略の転換(菊池さんのフレーズで言えば「マーケティン」の転換)を迫る根深い問題でははいだろうか。
Soft Machine - Hope for Happiness (Dim Dam Dom, 1967)
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