仮説:「オタク第一世代は第二世代と同時期に形成された」

断定的に書くけれど、
オタクの歴史というのが1980年代から現在に至るまであって、時に揶揄されたり軽蔑されたりブームになったりした。そういった場合の「オタクのブーム」とは別に、「オタク第一世代のブーム」と称されるべき時期が1990年代中期にあったと考えることにしてみる。
「オタク(第一世代)」は宮崎勤事件への回答として生まれたようにも言われるけれど、アイデンティティとしてはむしろオタク第二世代の台頭とともに始まったと考えたほうが自然だ。それ以前の「オタク第一世代」は、個別な考察はあったが自己規定の曖昧な集団に過ぎなかった。ある時若いオタク世代の存在の異質さを発見したことから、激しいアイデンティティへの希求が芽生えた。
つまり「オタク第一世代」と「オタク第二世代」は同時期に発生したというのが正確なところではないだろうか?というのが私のとりあえずの仮説。「オタク第一世代」が1980年代の「オタク胎動期(と暫定的に命名)」に関してデータの削除改変捏造といった再編に熱心だったのも、自己のステイタスを上げるためというばかりでなく、「激しいアイデンティティへの希求」が急務であった、そういう焦りのあらわれであったと考えるとより納得できる。