「斗司夫の青春」「シュンボーの犯罪」
2010-01-24 - 唐沢俊一検証blogT−岡田さんのコメントに対する補足的なエントリ
岡田斗司夫によると日本のポピュラー音楽は歌謡曲とアニソンという2つのジャンルに区分されるそうです。
- 作者: 宮沢章夫
- 出版社/メーカー: 白夜書房
- 発売日: 2007/07/02
- メディア: 単行本
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――音楽の話題となり、宮沢<僕は中学くらいから洋楽を聴くようになり><僕は「ラジオで歌謡曲以外を聴きたかった」という、単純な理由で洋楽を聴いていたんです。>を受け、
岡田 外人の歌う曲(笑)。なんでそんなもん聴くんですか?べつに「日本人だから日本の歌を聴け」ってことではないんですけど、外人が歌ってるんだから、心に本質的に響かないじゃないですか。
(中略)
岡田 まず「歌謡曲しかない」っていうスタンスが違うんです。歌謡曲とアニソンがあったじゃないですか。(教室爆笑)
こういうところ、(笑)や(爆笑)に同調するのが無難な生き方なんでしょうけれど、どんどん口がへの字になってゆく自分がいます。歌詞って岡田斗司夫が言う如く論理的な整合性を持って表現されるものではないし、受容のされかたも個人によって幅があるから、言葉の違いが表現力に影響を与えるとかいうのはあんまり関係ない。こんな話は単なるつまらない正論で、岡田斗司夫につられて開陳してしまったことすら迷惑な気分だ。ここにはネイティヴな言語詞以外の歌は表現力が劣ると思い込んでいる(もしくは思い込んでいる演技をしている)岡田斗司夫がいるだけで、教室の若者は岡田の「芸」を笑えるくらいの余裕があり私には無いという話だ。どうして私に岡田斗司夫の「芸」を笑える余裕が無いかといえば、私は岡田斗司夫の持っている教養を共有しうる程度には「教室の若者」より岡田に近く、下手すりゃ「貴族主義」的なことを言いそうな内実を持っているからだろう。
対談中岡田斗司夫の発言に、大意「ベイシティローラーズより<ダメな特撮>レインボーマンを選択できるオタクでありたい云々」とある。まず特撮版「レインボーマン」が1972年秋〜'73年秋の放送されており、いっぽうの「ベイ・シティ・ローラーズ」の日本でのブームは1976年〜'77年がピークなので、時期的なズレが気になる。時期的に考えれば「ベイ・シティ・ローラーズ」より「T・レックス 」が適当だろう。「T・レックス 」は来日時に見たTV「仮面ライダー」に影響され『ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー』(1974)を発表したくらいなので、「レインボーマン」とはそう隔たった存在ともいえない。
<『週刊少年マガジン』'72年52号表紙の南沙織>2010-01-22 - もうれつ先生のもうれつ道場のときもそうだったけれど、この人はなぜ考えればすぐボロがでる間違いをよりによってベーシック・データに関して犯すのだろう?
それで、いつもの思いつきだけのテキトー話かとも思うのだが、この件に限っては、あるいは岡田斗司夫の個人な体験にレインボーマンとベイ・シティ・ローラーズの二者択一を迫られたことがあり、それがここに現れたのかもしれないとも勘ぐってみる。
推論すればそれは1977年になるのかなぁ?前年から人気急上昇し、イアン・ミッチェルやパット・マグリンら(少女漫画的な意味でも)美少年の参加などで、微妙なニュアンスで日本独自のブレイクを始めたこの年に、特撮やアニメに入れ込んでいたSFファンの岡田斗司夫19歳は「ベイ・シティ・ローラーズ」に代表されるものに対抗意識というか反対概念のようなものを持ったということのような気がする。
対談相手宮沢章夫による「そのベイシティローラーズも、ロック好きからすればレッド・ツェッペリンの足元にも及ばないダメな存在だ(大意)」という掛け合いで、ここで岡田が示した「ベイ・シティ・ローラーズ」の意味が「洋楽」や「人気ロック・バンド」に収まってしまった感があり、岡田も「レインボーマンと並べ論じられたベイ・シティ・ローラーズ」の意味を全く説明していないのだが、そうではなくて岡田は、'77年から雑誌「明星」で洋楽枠としては初めてアイドルとして特集を組まれだしたサブカル的現象として「ベイ・シティ・ローラーズ」(とかロゼッタストーンとかスコッティとかフリントロックとかバスターとか)を語ったのではないだろうか?岡田の言い回しを援用すれば、ロック・グループとしての「ベイ・シティ・ローラーズ」ではなく状況論としての「ベイ・シティ・ローラーズ」を語ったということだ。あくまでも推測に過ぎないけれど。「義男の青春」は好きな作品だけれど、「斗司夫の青春」は知らないし特に知りたくもないので。
- 作者: つげ義春
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/07/29
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レインボーマンの音楽は北原じゅんが担当している。あのシベリア・サウンドでGS界に新風を巻き起こした(そしてそんなに受けなかった)ザ・ジェノバの楽曲を手がけた北原じゅんだ。
ジェノバの中でも最もガレージ色の強いデビューシングル。
久しぶりに聞くとファズ・ギターがかなりフューチャーされているのに驚く。フレーズがブルージーだし。そしてジェノバから一貫しているドメスティックなメロディ。
- 作者: つげ義春
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1992/01
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