ときどき宣伝する放射線のほんとう

1.菊池☆誠さんの連続ツイート

時々宣伝しますが、今必要な放射線問題の基礎知識をやさしくまとめた「いちから聞きたい放射線のほんとう」、基礎知識にいまいち不安なかたはぜひ読んでみてください。甲状腺癌がこんな問題になるとは思わずに書いたけど、甲状腺癌についても今でも通用する話をかいてあります


「私たちは子どもを産めますか」についても、「いちから聞きたい放射線のほうんとう」で一章割いて書きました。これにきちんと答えるのは大人の義務だと思います。もちろん、結論は「福島でも他の土地でも違いはないよ」です。差別問題などにも触れています。ぜひ読んでみてください


「いちから聞きたい放射線のほんとう」の追記をそろそろ作らないと。甲状腺癌について、基本的には正しいことを書いていた、検診のデメリットにも触れている(これに言及したのはかなり早かったと思う)ので、今でも通用するけど、発見数が増えたこともあり、もう少し丁寧に書きたい

2.「いちから聞きたい放射線のほんとう」当該部引用
[甲状腺・検査のデメリットについて]

菊池:(事故直後ヨウ素を配った自治体があったり配らなかったのがあったり)その点はかなり混乱があったと思う。でも日本人は海藻をよく食べるから、ふだんから要素をたくさん摂ってるけどね
菊池:(中略)事故由来のヨウ素131はもうなくなっているから、放射性ヨウ素甲状腺がこれ以上被ばくする心配はないよね
小峰:福島県内の甲状腺検査で甲状腺がんの子どもが何人か見つかりましたが
菊池:ほぼ間違いなく被ばくとは関係ないよ。甲状腺がんは進行が遅いこともあって、これまで特に検査していなかったんだか。だから、検査したらどのくらいの割合で見つかるのかデータがなかった。今はそれを確認している段階。他の県でも検査が進んで、福島県が特に多いわけではないのもわかってきた。被ばくの影響で甲状腺がんが増えてるかどうかはっきりするのは数年後になるだろうね
小峰:甲状腺の検査もかなり進んでいますし、これから見守っていくことが大切ですね
菊池:幸いなことに、福島県内での甲状腺の被ばく量はチェルノブイリ事故より桁違いに低いことがわかってきて、甲状腺がんは増えないだろうと考えられている
小峰:(中略)甲状腺がんは、がんとしてはたちがよくて、致死率も低いし、治療の結果もいいんだって。
菊池:むしろ今は、がんを発見するためのテストが優秀すぎるので、治療しなくていいがんまで発見してしまい、検査に伴うリスクのほうが大きいと指摘する人もいる

[「子どもを産むこと」差別問題について]

小峰:原発事故以降、子どもを産むことについて不安を持ってる人もたくさんいると思います
菊池:それはぜんぜん心配ないよ(中略)その不安って、いくつかの不安を合せたものだと思うんだ
小峰:妊娠中の被ばくと、放射線による不妊と、それから遺伝子のこと。その不安は大きいと思う
菊池:こういう話はどれもすぐに差別と結びつくから、注意深く話さなくてはならないんだけど(中略)まず、妊娠中に被ばくすると、子どもがなにかの障害を持って生まれるのかどうかだけど、原爆の被爆者の調査でわかっていて、妊娠中に100ミリシーベルト以上被ばくしなければ、リスクが上がらない。がんのリスクと違って、低い線量ではリスクは上がらないんだ(中略)ただこれもとても慎重に話さなくてはならないんだけど、特別の理由がなくても先天的な障害を持つ子どもは生まれるじゃないですか(中略)その可能性が放射線被ばくの影響で増えるかといえば、100ミリシーベルト以下の被ばくでは増えないということ
小峰:がんの場合は、被ばく量と比例するという話だったけど、被ばくが原因で障害が出る可能性はゼロと考えていいということですね。先天的な障害はゼロではないんだけど、原爆のデータから判断するかぎり、そうだということですね
菊池:そういうこと。この問題は差別に結びつきやすいから、とりわけ気をつけなくちゃならないのに、無神経な報道があったりして悲しくなるね
小峰:出産に関して言えば、福島にいてもどこにいても、違いはない
菊池:(中略)被ばくが少なければ不妊にならないことがわかっていて、今の日本でそれだけ放射線を浴びる人はいないと思っていいよ
菊池:(中略)原爆の被爆二世の調査があって、子どもへの影響は見られないよ(中略)DNAの一部が変化してそれが子どもに伝わったとしても、その変化が身体に影響を与えるわけではないということ

参考:「いちから聞きたい放射線のほんとう: いま知っておきたい22の話」を読んで