曾野綾子さん、多国籍な集合住宅って日本にもうあるんですけど…

Yuukiさん

Yuukiさんが呆れてるのは産経新聞のコラム「曾野綾子の透明な歳月の光 629.労働力不足と移民」。
このコラムについては、
NAVERまとめ 曽野綾子さんの産経新聞コラムがゲスすぎて大炎上
togetter ネトウヨもドン引き!曽野綾子が産経のコラムでアパルトヘイト推奨
togetter 曾野綾子関連ツイート
とまとめがある。
ところで、コラム後半のヨハネスブルクのくだりは既視感があった。

もう20〜30年も前に南アフリカ共和国の実情を知って以来、私は、居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住むほうがいい、と思うようになった。
南アのヨハネスブルクに一軒のマンションがあった。以前それは白人だけが住んでいた集合住宅だったが、人種差別の廃止以来、黒人も住むようになった。ところがこの共同住宅は間もなく破綻した。
黒人は基本的に大家族主義だ。だから彼らは買ったマンションに、どんどん一族を呼び寄せた。白人やアジア人なら常識として夫婦と子供2人くらいが住むはずの1区画に、20〜30人が住みだしたのである。
住民がベッドではなく、床に寝てもそれは自由である。しかしマンションの水は、一戸あたり常識的な人数の使う水量しか確保されていない。
間もなくそのマンションはいつでも水栓から水のでない建物になった。それと同時に白人は逃げ出し、住み続けているのは黒人だけになった。
爾来、ワタシは言っている。
「人間は事業も研究も運動も何もかも一緒にやれる。しかし居住だけは別にした方がいい」

これは曾野綾子『狸の幸福――夜明けの新聞の匂い』収録「南ア瞥見」にほぼ同じことが書かれている。

ブラックはそうはいかない。彼らは心優しい大家族主義、一族主義で、田舎から親戚のだれかが出てくれば、20人でも30人でも泊めてしまう。ベッドなんかなくたってどうということはない。不意の客は床の上に寝ればいいのだ。しかし30人は、その分だけばたばたと賑やかに戸を開け閉てして出入りし、30人が、この都会のよくできたバスルームを交互にゆっくりと使ってシャワーを浴びる。するとまもなく、そのアパートの水タンクは空になる。それほど多くの人が使うとは、白人の常識の線では計算していないのだ。しかし現実にときたま断水があるようになると、贅沢な白人たちはもうここにはいられない、と思うようになる。
今でも南アでは、白人、有色人種、インド人、黒人は、それぞれの地区に別れて住んでいる。どこに住んでもいいのだが、分別のある人なら、こういう制度をむりやり超えてもいいことはないことを知っている。

『狸の幸福』でときたま断水があるようになるととあるのが、20年後の新聞コラムでは間もなくそのマンションはいつでも水栓から水のでない建物になったと、水道の不通のような事態に変化している。
まぁそんなことはあんまり本質ではなくて、これは別に人種的な問題で居住が困難になっている事例ではないだろう。黒人は基本的に大家族主義だというが、大家族的な集団は黒人だけに固有ではない。大家族の集合住宅居住はアジアでも東欧でもあるが、それは人種的な問題ではなく生活水準に起因した習慣によるところが大きい。


スロバキア・コシュツェ市スラム「ルーニク?」に住む八千人のロマ

それと日本にも多国籍な集合住宅って、もう存在してるしねぇ。。。

いちょう団地・中国獅子舞 泉の会
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