伊藤剛さんの早川マップ評価

ツイッターのTLに久々に伊藤剛さんの発言がRTされてた。藤本由香里さんとのやりとりの中で、伊藤さんが早川マップ評価をされており、なにか感慨深いものがあったので記録にとっておきます。(藤本さんとのやりとりの本題には辿りつけませんでした)

伊藤剛
まず、こちらからの返答がそのままになっていたことをお詫びします。ただこれは「違う方向からの石」ではないのです。当時時間がなくずるずると引き伸ばしてしまったのは私の不徳ですが、あのときお返事したとしても同じことを申し上げたと思います。
伊藤剛
「「反原発派は放射能の危険を過剰に言い立てる」という言説はあるわけです。あの時は、反原発派からの攻撃が問題になっていたので……」というその「攻撃」が、たとえば郡山の佐藤順一さん(ご自身のアカウントは、会話に巻き込むことになるので控えます)ほかの方に
伊藤剛
対しても、ひどい中傷や嫌がらせが続いていたという背景こみの話だったのです。で、藤本さんもそれは踏まえておられると思っていた。また、件の早川マップの作者である早川由紀夫氏が、佐藤順一さんに対してひどい対応をしたという話もあります。

藤本由香里
そのことには同意します。また、伊藤さんが、原発推進ではなく、放射能の危険を過剰に言い立てることに徹底して批判的だったことも存じています。ただ、「反原発派は放射能の危険を過剰に言い立てる」という言説はあるわけです。あの時は、反原発派からの攻撃が問題になっていたので……
藤本由香里
140字に大事なことを収めるために、短い言葉ですむのでまとめてしまいました。ですので、正確な言い方ではないのは確かです。リプライですので、伊藤さんに大意が伝わればいいとしてしまったことはお詫びします。
藤本由香里
その時に言われれば、そうですね、言葉を端折ってしまいました、すみません、と言ったと思います。あの時、私は誠実に答え、伊藤さんはしばらくして、今日リプライしますとおっしゃいましたが、リプライはいただけませんでした。なのになぜ今になって突然違う方向から石が飛んでくるのか

伊藤剛
「いま」のタイミングには積極的な理由はなく、タイムラインに藤本さんがおられたことと、わたしの体調は比較的よく、時間もまあ取れそうだと判断したからです。こちら側の事情のみでたいへん恐縮ですが、お互い夏休みに入ってからのほうがいいかなというのはありました。
伊藤剛
もしかすると、いまからでは少々追いかけにくくなっているかもしれませんが、山本おさむ先生が仰った「福島の農家はサリンを作ったオウムと同じだ、というような酷いこと」を言ったのが早川由紀夫氏です。
伊藤剛
ここであらためて、どうして佐藤順一さんのお名前を出しているのかを記しておくと、郡山在住で、放射能に関する勉強会などを行ってきている方であるのと、たいへんマンガ好きで、「スピリッツ愛読者」としても『美味しんぼ』を批判していた方でもあるからです。
伊藤剛
早川氏および彼のマップの問題に戻ると、福一から飛散した放射性物質の分布を知るのに、各地の計測値をマップに落としてその様子を知ろうというのは、事故当初、公式な飛散図が出ない時点では、たいへん有益な試みであったのです。しかし(続く)
伊藤剛
できたマップはずさんなものでした。限られた計測点の間を推測で引いた線が残り、じっさいには放射能の値が低く出ているところでも、あたかも高いかのように見えてしまうといった例が出てきた。
伊藤剛
「早川マップ」に問題が生じた理由は、1) 早川氏の放射能放射性物質についての理解がひどく低く、放射能=毒≒死といった観念を持っていた。 2) 早川氏が、多くの人々の意見をきいたり、議論をすることができなかった。
早川氏は群馬大学教授で専門は火山学です。
伊藤剛
国立大学の「理系の先生」なんですね。東大院卒だし。つまり彼の発言は一定の「権威」を帯びていた。しかし、早川氏の放射性物質について……というよりも高校レヴェルの化学の理解は呆れるほどのものでした。そこに「福島の農家」に対する誹謗が加わっていた。
伊藤剛
早川マップの問題はまだあり、たとえば共産党もこれを採用していた。国や東電が信用ならないからといって、もっと信用ならないものを採用したという図ですね。
伊藤剛
もちろん、早川マップの問題と、早川由紀夫という人物の問題は分けて考えなければなりません。そのため、ややまどろっこしい書き方になりましたが、ひじょうに雑駁にご説明すると、以下のようになります。
伊藤剛
あとは適宜検索をしていただければ(早川氏自身が作ったまとめが鬼のようにあるので、かきわけていくのが少々たいへんなんですが……)。
伊藤剛
それだけじゃないんですよ。で、マップの問題と人格の問題が「議論にならない」「他人の検証を受け入れない」という点で結び付いてしまったわけですね。あと科学者としてどうかという基本的な理解のなさも、人格の問題とは接点を持っているという見方はできますね。
伊藤剛
意図はわかりますが、そうであるならばなおのこと、早川マップの問題点には触れるべきでした。「美味しんぼが引用したのが、よりによって早川マップだった」という問題点です。またこの「問題」は「数値が正確かどうか」ではありません。

藤本由香里
「早川マップ」で線量の低いところが高い線量に見える問題があった、というのは聞いていましたが、『美味しんぼ』の地図が早川マップであるかどうかは認識していませんでした。クレジットはHPのURLですので見ただけではわかりませんし、線量が示したいポイントではないからです。

伊藤剛
それ結構重要なボイントですね。ぱっと見早川マップかどうか判然としない形で引用されていたということだから。あ、忘れてましたけど「ラブキュリ」には、グンマープロフェッサーという人物が登場していますね。