ムーンライダーズ

ああやだやだ、古いファンだからつい「ムーンライダース」って言ってしまう(前日のエントリでつい「ライダース」にしてしまった、訂正済み)。「ムーンライダース」は初期の呼称、うやむやに「ムーンライダーズ」に変更された。カルトな支持を持つGS「レンジャーズ」が1stシングルだけ「レインジャーズ」なのと同じである。

コンプリート・トラックス

コンプリート・トラックス

ムーンライダーズは、だからまあ好きではあるけれど、いまあらためてファンかどうかというと、難しいものがあります。そのへんはアレか、唐沢俊一における手塚治虫みたいなモノ?違うか?なんかそういったシニシズムにシミジミ浸ってしまう自分がいる。だってムーンライダーズってパクリ多いからなあ。

ムーンライダーズ/モダン・ラヴァーズ

ポリス/ロクサーヌ
この話はもう言い尽くされているので、特に言いたいことではない(資料という意味でのみUPした)。
しかし問題作とされた『マニアマニエラ』以後「もうお手本となる作品はなくなった(『火の玉ボーイとコモンマン』)と宣言した後にまで
MANIA MANIERA

MANIA MANIERA

火の玉ボーイとコモンマン―東京・音楽・家族1951‐1990

火の玉ボーイとコモンマン―東京・音楽・家族1951‐1990

『青空百景』収録「霧の10平方メートル」試聴はこちらhttp://www.amazon.co.jp/%E9%9D%92%E7%A9%BA%E7%99%BE%E6%99%AF-%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%BA/dp/B00005FQ6F
と、ジェネシスの『月影の騎士SellingEnglandByThePound』収録「IKnowWhatILike(InYourWardrobe)」
(なんだか若き日のピーター・ガブリエル唐沢俊一を髣髴させるコスチュームだが……)が酷似していたり、
『Don'tTrastOverTherty』DON’T TRUST OVER THIRTY(紙)収録「だるい人」(蛭子能収作詞)のミドル部分ほかが
キンクスの隠れた名作「AutumnAlmanac」にそっくり
というのも、素直に「リスペクト」という「わざわざ引用する批評的な意義」を感じられない。「AutumnAlmanac」は「隠れた名曲」というだけあって、キンクスを語る上で壇上に登る作品とはいえず(あくまで「YouReallyGotMe」などと比較して )、だいたいキンクス自体の日本でのポジションがあって無きが如きなので、「批評的な意義」は奏者本人の中にしか存在しない。
個人的な偏見だが、80年代ニューウェーヴ系の多くに「わざわざ引用する批評的な意義」を感じない「リスペクト」が散見され、言い出したらキリがないという思いはある。あるいは私個人の問題として、80年代ニューウェーヴにシニカル・アイロニカルな視線を持ってしまう、という癖があると言ったほうがいいかもしれない。ま、例えば遊佐未森「瞳水晶」のギターを聴くと、どうしてもフィル・マンザネラのソロを連想してしまって素直に鑑賞できないって程度のことですが……。
瞳水晶

瞳水晶