「老獪ないしかわじゅん」のつづき

チャチャっとかたづけよう・・・
http://d.hatena.ne.jp/kensyouhan/20090213/1234513007

秘密の手帖

秘密の手帖

いしかわじゅんが巧いというのは、「オタク」というキーワードをまったく使わずに岡田斗司夫唐沢俊一を評している点もあげていいと思う。そして、それがどういう効果をもたらすかという結果も見えた上で、最初から意図された方法であったろうことも推察されます。とはいえ、『唐沢俊一検証blog』で麻痺している神経で読むと、ここでのいしかわじゅんは唐沢大絶賛と感じてしまいますが・・・。

唐沢俊一は、変なのだ。
あんなに、<いかがわしい>とか<インチキ臭い>とかいう言葉が似合う男もいない。いつも黒っぽい上着とズボンを穿き、黒っぽい帽子を被っているのが、夕方六時台の子供向け特撮番組のわかりやすい悪役みたいで、既に充分怪しい。
いやいや、貶しているのではない。いまどき珍しい怪しさを持ったキャラクターとして、絶賛しているのだ。そう誰もが、健全で健康で根っから明るい必要はない。外から見える世界をひと皮めくった世界にも、人材が欲しい。唐沢俊一は、勝手に決めつけてしまえば、まさにそういう人間なのに違いないのだ。

う〜ん、やっぱり巧いなぁ〜。唐沢評として万全な気がしますが、どうでしょう?
最近は擁護されるかたでも、<唐沢のパクリやインチキは非難されるとして>などと、唐沢評価は規定のものとして顧みられることが無いのですが、いしかわじゅんにこう言われると、「かつての」唐沢俊一の存在意義というのもまた確かにあったわけで、そのへんはもうちょっと言及されてもいいかも(当時の唐沢本にお世話になった人限定のハナシね、そうじゃない若者は悪口大会でいいのでは?)。じゃぁ私も「擁護クン」に鞍替えして荒らしでもするか・・・。<打つな、荒らし!荒らしよ打て!>・・・小谷野先生は嫌いなんだよね、『変身忍者嵐』・・・(意味不明だが説明はしない)。
このように絶賛しながらも、いっぽうで貸本漫画の取り上げ方については<コンセプトも文章も少し乱暴すぎる>として嫌悪感を表明している。が、いしかわ本人もまた夏目房之助もけっしてヒール役に向いていない、というか唐沢俊一以外ヒールに適役がいなかった当時は、彼の強引さや胡散臭さが有効であったことは強調されていいと思う。

業界暗黒面、唐沢俊一
もっとのさばって、変なものを見せて欲しいなあ。

こう締めくくっております。そして時は流れ、業界そのものが暗黒となったので、唐沢俊一サブカル不良債権となったとさ・・・(嫌な昔話だ)。

追記

死へのイデオロギー―日本赤軍派― (岩波現代文庫―社会)

死へのイデオロギー―日本赤軍派― (岩波現代文庫―社会)

このところこれを読んでいました。左翼運動はアニメ以上に詳しくなくて、『ガンダム』と『エヴァ』の違いと革マルと中革の違いはほぼ同レベル(つまり全然分からない)。なのでこういうのを読むと、いっけん客観的な判断が出来そうでいて、その実得手勝手な印象論におちいる危険が大きいとは自覚しておりました。自覚しておりましたが、まさしくその<得手勝手な印象論>に只今はまっている最中・・・。以下はトンデモ読者の妄想、ということでお目こぼしを・・・。

閉鎖された集団のなかで、理念と状況説明にだけ優れた指導層の暴走により、悲劇的な狂騒を引き起こす、と。そしてそのとき被指導層は、暴走する指導層を必要とした、と。まぁ、そんなカンジに雑に読んだワケなのですが、ああ「と学会」とかその周辺とかっていうのもあったな、と。いやまぁ、「と学会」がどうこうってワケじゃないけど、私は岡田斗司夫のことを<自分と関係ないからあんまり興味なかったけど、ちょっと読んでみると、「分かりやすい理念とそれを基準にした状況説明に長けた人物」>だとは思っていたなぁ、とあらためて思い返してね・・・。そう思っただけで、ナニかとナニかを繋ごうという意図はなかったんだけど、洒落で「某<バカくん>事件とかは、あれは<総括死>とか<敗北死>とかに当たるのかな?」とか、はなはだ不穏当な仮定をするうちに深みにはまってしまったワケでございます。ま、嗤ってやってください><